【五十嵐貴久原作】新・オトナの土ドラ「リカ」第6話感想

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前回のラストで、本間の勤める映画製作会社にやってきたリカですが・・・

 

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受付で「神宮司たかお」というものはいない、と言われ「本間たかお」さんはいますかと尋ねるリカ(高岡早紀)。そのリカの様子を、本間のアシスタントの坂井(内田健司)と花山病院の元・受付嬢で、今は本間と同じ映画製作会社に勤める千秋(夏菜)が目撃していた。

 

第6話あらすじ

本間の机の内線が鳴り、電話を取る本間(大谷亮平)。

「受付ですが、本間さんあてに雨宮リカさんという方がいらしてます」

なんで会社がわかったんだ、と驚く本間。動揺しつつも「今日は一日出ていて会社には戻ってこない」と伝えるように受付に頼む。伝言を聞いて帰ろうとするリカだが、アシスタントの坂井が呼び止める。

「あの、すみません。本間に伝言があれば伝えますが」

喜ぶリカ。電話が急につながらなくなってしまったので本間から連絡が欲しいと伝えるようにお願いをする。「伝えます」とにこやかに返事をする坂井。

 

そのやりとりの間に、リカに気づかれぬようその場を通り過ぎようとする千秋。だが、背後から「千秋さん」と呼び止められる。振り返ると、そこにはリカが。固まる千秋に、「ちょっとお茶でもしない」と微笑みながら言うリカ。

 

なぜリカに身元がバレたのか、と話す本間と坂井。リカが会社にまで来るなんて思いもよらなかったのだ。「まさか電話もメールも全部拒否ってるんですか」という坂井に、リカからの無言電話や着信が大量に来て参っていると語る本間。「超やばい奴じゃないですか」とリカをストーカー認定する坂井は、リカの行動を止めるには、一度着信拒否解除して向こうの電話に出るしかない、と言う。 

 

3年ぶりの再会

茶店で向き合うリカと千秋。

花山病院での事件以来、3年ぶりの再会をしたリカに「私、31になっちゃいました。雨宮さんも同じ年でしたよね」と言う千秋。

何言ってるのかわからない、という様子で「私は28よ」とサラッと答えるリカ。

あっけにとられる千秋。

 

一緒に働いている本間のことを聞かれ「本間さんはプロデューサーだ」という千秋。

それを聞いて「やっぱり神宮司っていうのはHN(ハンドルネーム)。作家というのもウソ」と冷たい顔でつぶやくリカに、マッチングアプリはだいたいの人が架空のプロフィールにするものだと慌てて説明する千秋。「そうなの?」と安心した様子を見せて本間との運命の出会いについて話始めるリカに、本間は既婚者だという事実が知らされる。「えっ・・」とリカの顔色が変わった。「あっ・・別居してたんだ」と思い出したように言う千秋。娘が居る、と聞くと「きっとかわいいんだろうな」と微笑んでまだ見ぬ娘に思いを馳せるリカ。リカの目にはもう、本間の娘と暮らす未来が浮かんでいる。

 

千秋は花山病院を退職後、離婚したこと、父の入院費用が必要になって生活に困っていることなどを話す。そんな千秋の話を聞きながらおもむろに財布を開いたリカは、数万円を千秋に差出し「使って欲しい」という。「わたしたち、親友になれそうね」と何か禍々しいものを内包した笑みを浮かべるリカ。

  

 ストーカー女

本間が着信拒否を解除したとたんに、リカから着信が入った。

「たかおさん?よかったやっとつながった」

リカが会社に来たことを聞いたと話す本間。どうして会社のことを知ったのかと問う本間に、初デートの後、彼の後をつけていたことを話すリカ。リカの行動に驚く本間。

 

意を決して、映画の企画のリサーチのためにマッチングアプリに登録したこと、リカを騙す結果になったことを詫びる本間。自分はリカに会う資格はない、他の人を探して欲しいと伝えるが「そんなこと言わないで」と悲しげな顔をするリカ。

「せめて私の目をみて、ちゃんと説明して欲しい」

 

そんなリカの前に、謝礼のお金3万円が入った封筒を置く本間。リサーチの謝礼とお詫びだという。それを見て「私は怒っていない」というリカ。リサーチすることになった映画のおかげで、たかおとも会えた。それに、自分たちは運命の糸で結ばれているのだ、という。

「だってたかおさんもいいお嫁さんになるっていってくれた」

リカは初デートのレストランで、本間が一般論で話をしたことを「(自分の)いいお嫁さんになる」と言われたと思い込んでいたのだ。

 

更に、話をしてもいないはずの本間の妻や子供のことまで話し始めたリカに、恐怖を感じつつ「なぜそんなことまで知っているのか」と問うと

 

「運命の相手だから」

 

とにこやかな笑みを向けて当たり前のように言うリカに、「もう会社には二度とこないで、連絡もしないで欲しい」と言って立ち去る本間だった。

 

わたしの力になって

リカとの対面から戻った本間に事情を聴き「完全にストーカーですね」と言う坂井。携帯番号も変えた方がいいと話し合っている。その二人の様子を見ている千秋。そこへリカからLINEが入る。「ところで、アルバイトしない?お金困ってるんでしょう」

 

リカに呼ばれ、彼女の家にやってきた千秋。壁際に並べられている無数のハーバリウムに目を止める。「見て、このお花。この間たかおさんとの初デートの時にもらったの」と、本間と初めて会ったときに貰った黄色いガーベラのハーバリウムを見せるリカ。

 

「そういえば、大矢先生とつきあっているというのは本当だったのか」と聞く千秋。

「ほんとうよ。一緒にはなれなかったけれど、大切なものをハーバリウムにして飾っているの。綺麗でしょう」と言ったリカの視線の先には、リカが医療ミスをおこさせたペアン鉗子、大矢が使った手術用手袋などがハーバリウムの瓶の中に浮かんでいた。

リカの異様さを感じて固まっている千秋。

  

そんな千秋の様子を眺めながらリカは言った。

「千秋さん、わたしの力になってくれない?」

 

「いつもあなたをみている」

場面は変わり、本間ののマンションのドアの前に居る娘の亜矢。別居中の父親に会いたくて一人で来てしまったのだ。黙って来たことで、母親を心配させたことを諭す本間。

和やかなムードの部屋に、インターホンの音が鳴った。

モニターを見ると誰もいない。念のため、外に確認に出る本間。

しかし、やはりそこには誰も居ない。左を眺め右に振り向くと、そこには謝礼の袋と壁に貼られた一万円札が3枚。それは、リカに渡した謝礼の袋と謝礼金だった。

「いたのか・・・」とつぶやき、家まで突き止められたことに恐怖を覚える本間。

 

部屋でひとり、考え込む本間。そこへ非通知の着信が鳴った。リカだ。

「うちに来たのか」「どうしてうちがわかったのか」と矢継ぎ早に聞く本間。

それには答えず、どうして番号が変わったのを教えてくれなかったのか?と拗ねたように尋ねるリカ。携帯番号も変わっているはずなのになぜかリカは新しい番号にかけてきている。「どうして番号がわかったんだ」と重ねて問う本間。

「わたしはたかおさんのことをいつも見てる」と甘えたように答えるリカ。

 

(リカは、本間の会社で働いている千秋から新しい番号と住所を入手していた。

千秋が経済的に困っているのを知って、情報と引き換えに謝礼を渡していたのだ。) 

 

仕事中の千秋に、リカからLINEが入る。

「ありがとう、あなたはリカの親友だよ」

 

彼女はモンスター

実害がなければ警察も情報を調べてくれないだろうと、アシスタントの坂井が番組制作の監修で関わっていた「探偵の原田」を本間に紹介する。

 

これで「安心ですね」とほっとした様子の坂井。坂井はマッチングアプリを本間に紹介した責任を感じていた。俺の出来ることはなんでもやりますから、と力強く本間に宣言する坂井。

 

場面は変わり、アーティストと音楽の打ち合わせをしている本間。

そこに着信が鳴る。見ると「葉子」の文字。本間の妻だ。

「昨日は娘をありがとう」と言う妻に、しばらく仕事が落ち着くまでは会えない、マンションにも近づかない方がいい、と話す本間。リカの訪問で、家族に危険が及ぶかもしれないと考えたのだ。その言葉に、まだ浮気を許してもらえていないのかと誤解する妻。落ち着いたら連絡するから・・・と詳しく理由を説明を出来ないまま電話を切る本間だった。

 

仕事中の千秋にリカから着信が入る。会社近くの喫茶店にいるので、出てこれないかと言う。昼休憩を取る、と言ってリカの元へ向かう千秋。

 

再度、本間を訪ねてきた原田。原田は、リカの経歴を調べてきていた。3年前まで花山病院に勤めていたこと。当時おこった旧病棟の火災で、数名の死者が出ていたこと。

亡くなったのは、医師の大矢、医師の柏手、柏手の娘のマイ、看護師の森田、大矢の婚約者の真由美。調査の結果、死因は火災ではないと判明したこと。リカは、その火災を期に病院を辞め、行方がわからなくなっているという。

 

花山病院では、それ以前にも不審死が続いていた。原田は、リカがその死に関わっている可能性を示唆する。もしリカが犯人だとしたら「とんでもなく頭のいいモンスター」だという。くれぐれも軽率な行動をしないようにと釘を刺し、自分も警視庁時代の知り合いにも相談してみるという

 

「死ねばいい」 

茶店で千秋と話すリカ。千秋にまたアルバイトをして欲しい、と言いながらスマホ状の盗聴器を箱から出すリカ。これをたかおさんの会話が聞ける場所に設置して欲しいという。盗聴器じゃないですか、会社にバレたら、という千秋に、またもや財布から札束を出すリカ。千秋はそれを受け取ってしまう。逃げるようにその場を去る千秋。そこへ、アシスタントの坂井が入って来た。千秋に気づき声をかける坂井。ふと、その横を見るとストーカー女「リカ」が居た。千秋との関係を尋ねる坂井に、「昔の友達」だと話すリカ。本間の働いている会社に千秋が居たのは何かの縁だ、と。

 

「わたしとたかおさんは運命的、というか・・・」と恍惚とした表情で語り始めるリカの言葉を遮り、本間が迷惑をしているのでやめてもらえますか、探偵も雇っている、と攻撃的に話す坂井。

「たかおさんとわたしは誰よりもわかりあってる」と続けるリカに「本間さんがあんたなんか相手にするか。きもいんだよこのストーカーが!」と言い捨て立ち去る坂井。

その後ろ姿を見つめながら、リカが舌打ちをする。「ちっ・・・死ねばいい」

 

会社へ戻るため、高架橋を歩く坂井。階段を降りる手前で、本間のLINEが着信し画面に目を向けると「原田さんからリカはモンスターといわれた」の文字が。その時、背後からは誰かの影が忍び寄っていた。振り返る坂井。誰かに押され、バランスを崩し驚愕の表情。

 

転落し、頭から血を流して動かない坂井の姿。

 

帰りの遅い坂井を待つ会社に着信

救急搬送されて意識不明の重体だという

 

あなたはリカの仲間 

夜のオフィス。まさか坂井があんな死に方をするなんてな、と言いながら帰る上司の佐々木(武田晋)。坂井のことを思い出し、泣き崩れる本間。

 

仕事帰りの千秋の携帯に着信が入る。

ー千秋さん、例のあれ、設置してくれた?ー

 

いや・・・まだ

 

ーそう、じゃあ、時間があるときにお願いねー

ー坂井という人が探偵をやとったっていってたけど、何か知ってる?ー

 

その坂井さんですが、今日亡くなったんです。

 

ーあら、それは突然だったわねー

 

冷静なリカの様子に、驚かないんですかと尋ねる千秋。

 

ーそれはお気の毒だと思うわー

ーあなたが彼を死なせたようなものですもんねー

 

思いがけない言葉に、えっ。と戸惑う千秋。

 

ーあなたがアルバイトでいろいろ教えてくれたからわたしは素直に行動しただけなのにあの坂井ってひと。わたしをストーカー呼ばわりしてー

ー探偵のことがわかったら必ず教えてねー

 

坂井の死にリカが関わっていることを感じ取り、断ろうとする千秋。しかし、リカはこう言う。

 

ー千秋さん、あなたはリカの仲間よー

ー「坂井さんみたいに」なりたくないでしょうー

 

リカの言葉に。これまでの花山病院の事件を思い返す千秋。

小山内さんの事故、小山内さんを道連れにした藤鐘師長の死、旧病棟での5名の死者のこと・・・

「まさか、全部・・・」

 

邪魔者 

オフィスにいる千秋に原田が声をかける。

「すみません、探偵の原田と申します。本間さんはいらっしゃいますか」

 

原田の情報では、坂井の事故現場の周辺では目撃者はいなかったという。また、事故に遭う前の足取りも、不審な点はなかった。情報では、会社近くの喫茶店に昼前に入ったが、すぐに出ていると話す原田。坂井はイヤホンでいつも音楽を聴いていた。あぶないといっていたのに・・・と不慮の事故であることを疑っていない本間。その様子を、密かに千秋がカメラで撮影をしていた。

 

本間が自宅に帰ると、家の鍵が開いていた。先日のリカの件もあり、まさか・・・と慌てる本間。ドアを開けると、そこには妻と娘の靴が。ほっとする本間。

 

部下を亡くしたことで、本間が落ち込んでいるだろうと妻と娘がたずねてきていたのだ。本間の体調を気遣う妻。久しぶりの家族の団らんに、あたたかな空気が漂っている。

 

夜のオフィス。

本間の机から、原田の名刺を見つけ出し、事務所の住所、隠し撮りした原田の写真をリカに送る千秋。次は本間の娘と、本間が別れたがっている奥さんのことも調べてと千秋にLINEをするリカ。

 

暗闇に浮かび上がるハーバリウムを、じっと見つめている。

 

第6話感想

前回、第2部のスタートで「あまり怖くなくなった」と感じていたのですが、今回初めて「リカ」をパートナーと視聴しました。見ながらこちらを振り返った彼がひとこと。

「こわい・・・」うん、やっぱり怖いようです。ドラマもたぶん怖いのですが、原作を読んだ人(わたしのような)は原作が怖すぎてマヒしてしまうんですね。

第2部スタート時から、毎回冒頭で男性が死ぬシーンが流れていたのですが、あれは今回の登場人物たちだったんですね。階段から転落ししているアシスタントの坂井。そして、刺されて血を流している探偵の原田。まだ本間の姿はここにはありませんが、この先どうなってくのでしょうか。五十嵐貴久の原作小説「リカ」のとおりであれば、本間は「生きたまま」地獄を味わうような結末になります。

 

あと2回で完結となる、新・オトナの土ドラ「リカ」。

次回第7話の予告で、恐怖のタクシー追跡シーンが描かれるようです。高岡早紀さんのリカだと美しすぎるので、あのタクシーに張り付いて追いかける恐怖のシーンはどうなるのか?と思ったのですが(原作ではリカの容姿の異様さが描かれていて、本間はリカと会う前に生理的に恐怖を覚え逃げ出そうとして発見・追跡されている)ちゃんと描かれるんですね。これも次回の見どころです。

 

「リカ」シリーズ時系列 ※タイトル前の数字が刊行順

 

③「リバース」(雨宮家の家政婦、幸子の視点で描かれたリカの幼少期の話)

④「リハーサル」(ドラマ第1部。花山病院が舞台。「リバース」の約20年~25年後の世界)

①「リカ」(ドラマ第2部の舞台。ドラマ第1部から約3年後の世界)

②「リターン」(「リカ」から10年後の世界。リカの起こした事件を追う女刑事の目線)

 

「リメンバー」(2019年12月頃刊行予定)

 

【放送予定】

毎週土曜日 23:40〜24:35

◆第1部:放送終了

原作 五十嵐貴久「リハーサル」)

◆第2部:2019年11月9日(土)〜2019年11月30日(土)

(原作 五十嵐貴久「リカ」)

 

 

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