筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)と診断されるまでの経緯

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『あなたの症状は、慢性疲労症候群です』

そう告げられたとき、それまでに受診した病院は10件ほどになっていました。

「治療で良くはなりますが、元のようにはなりません」と言葉は続きます。けれど、治らない、と言われたショックよりも「やっとこの不調の診断がついたんだ」とホッとする気持ちの方が大きかったです。

 

慢性疲労症候群とはどんな病気か

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わたし自身、この病気かもしれないと思う前は、疲れが積み重なって疲労が抜けなくなることを「慢性疲労症候群かもな」と思ったりしていました。世間一般的にも、そう思われる方も多いかもしれません。それは、この「慢性疲労症候群」という病名にも原因の一端があります。慢性疲労症候群とは、その名のように疲労の病気ではなく、原因不明の免疫系などの暴走により、長期に渡る発熱、疲労感、思考の混濁、判断力の低下、筋力の低下などを引き起こす「神経疾患」となります。

最近の研究では、患者の脳に広範囲の炎症が見られることなども発見されています。

明確な原因、治療法が確立されていない、いわゆる「難病」となるため、患者はこの病気と診断されるまでに、数年の月日を経る場合も多いです。

専門医の少なさ

この病気を診断できる専門医は少ないため、もし自分の県にいない場合は、医師の診察を受けるために遠方まで出向かなければなりません。2~3名の専門医が居る県もあれば、1名もいない県もあるため、患者にとってはまず診断してもらうためのハードルが高くなります。というのも、この病気かもしれないという状態になっている患者は、体力が著しく低下していることも多く、診断を受けるために遠方の医師の元まで出向く、そのために数回通院する、という行為が非常に難しくなるからです。

mecfsinfo.net

長年原因不明の病いに苦しんで来た方の中には、NHKハートネットTV~をご覧になって、「わたしってまさにこれでは」と思われた方もいるのではないでしょうか。

わたしも、その一人です。そして、私はネットで専門医を探し自分の住んでいる県には2名の専門医が居ることを知りました。

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診断に至るまでの数々の検査と準備について

医師を見つけ、受診を決めたらまずは病院へ連絡をしましょう。

わたしの場合は、すでに複数の医療機関を受診し、専門医の門を叩くまでに4年ほどの歳月が過ぎていました。やっと検査を受けることが出来たのが、不調がピークとなった4年目に大学病院に通うようになってからです。当初、原因不明の熱や不調、ということで血液の病気の可能性を疑われ、血液内科で各種検査を受けていました。

そこで、ガリウムシンチグラフィー、MRI、CT、結核検査、膠原病検査、髄液検査、骨髄検査などを行いましたが、原因はわからず。

その後、担当医の紹介で脳神経内科、外科、耳鼻科、呼吸器内科、消化器内科、心臓血管外科などさまざまな科で検査を受けましたが、結果はすべて正常。

 

最終的に、大学病院内に慢性疲労症候群の専門医が居たため、診察を希望したところ、診断に至りました。初診から、6か月ほどの月日を要したことになります。

診察の際には、発症からの経緯、発熱の記録、身体症状、異常な疲労感、発症前と比べてどのような不自由が発生しているか、などを伝えました。実際、症状がひどくなってくると記録すらできなくなってしまったのですが、それ以前に受診していた病院でのカルテや、手帳のメモ、病院で渡された血圧記録表への熱の記録などが記憶を遡る参考となりました。これから受診を考えている方は、なるべく症状の記録やこれまでの病院の検査結果、領収証を残しておくことをお勧めします。ちなみに私は現在、主治医から言われ障害年金の申請を進めているのですが、これには初診日の証明が重要になります。

私は、体調が悪化して夜間当番医にかかった際にfacebookに投稿していたことで、当時の医療機関名や受診の日付が特定できました。

 

診断を受けた後~今後の仕事をどうするか~

まず、「慢性疲労症候群」の確定診断を受けたら診断書を医師に書いてもらいましょう。この段階のあなたは、おそらく仕事ができる状態にないか、会社に行っていてもかなり業務に支障が出ていると思われます。ですが、診断書を取ることができれば休職制度のある会社であれば休みを取得することが出来ます。

診断書の取得費用については、特に指定の様式がない場合は病院の規定の様式で2,000円ほどです。(私の通院先では「特殊診断書」と呼ばれる障害年金の申請書の場合は、4,000円でした)

 

たまにネットで「慢性疲労症候群のブログ」などを見かけますが、中身をよくよく読むと医師に診断を受けたわけではなく「慢性疲労症候群かもしれないね」と専門医以外の医師にに言われたり、ネットや本で得た情報で慢性疲労症候群に当てはまるものが多いから「わたしは慢性疲労症候群だ」と思ったという方が見られます。

ですが、それでは診断書に書いては貰えませんよね。

ですから、「慢性疲労症候群かもしれない」と思った時は近くの専門医をまず探しましょう。残念ながら、自県に専門医がいない方の場合は受診のハードルが高くなりますが…(慢性疲労症候群の患者は体力が低下していることも多く、長距離の移動の体力がないことが多いためです)

 

診断書については、病院によっては3~4週間かかるところもあるようですので、事前にどれくらいかかるか確認をしましょう。一般的な会社であれば、診断書の提出に時間がかかる旨を事前に伝えていれば、診断書が出てから遡って適用してくれます。

私が診断書を医師に依頼するにあたって注意した点は以下になります。

 

1、会社の専用の様式でなくてもよいか(基本的には各病院の様式)

2、自宅療養を要する期間はいつからが良いのか(いつから、の日付がない場合は概ね書類作成の日付が基準になります)

3、いつまで休みが取れるか

4、いつごろまでに会社に提出しなければならないのか

 

病名については、今回は慢性疲労症候群ですが、例えば「うつ」については「うつ病」と「うつ状態」では病気の認識と会社が受ける印象が変わるため、記載内容についてお医者さまとよく相談されると良いでしょう。

 

次回

診断を受けた後~今後の生活・お金の問題をどうするか~

mpls55409.hatenablog.com

に続きます。

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