病気で休職中に「仕事を辞めるべきか、どうするべきか」迷ったときにしたこと

 

決断を先延ばしにするのは悪いことじゃない、時には人に委ねてもいい

 

決断は先延ばしにしないほうがいい、なんてよくビジネスの指南書とかでよく聞きますが、先延ばしにした方がいい時もあります

 

最近はなんでもスピード重視の世の中で、効率化が謳われています。

 決断が遅れると、無駄が発生するらしいです。ビジネスに関しては、そういう側面もあるでしょうね。

 

ただ、心身ともに弱っている時は、重要な決断はしない方がいいと個人的には思います。

 

今回は、私が休職中に「仕事を辞めるべきか、どうしたらいいか」わからなかった時にした、自分の頭の中を整理する方法、を書いてみたいと思います。

 

退職すべきか迷って障害者就労支援センターへ行った

 病気治療で休職中に退職を考えたとき、「障害者就業センター」というところに行きました。各地にあるこのセンターは、障害者の就労に関する悩みの相談受付や、休職からの復職支援、就職に向けた訓練を行っています。

 

 そこで、「職場で病気をクローズにして働いていたが、職場環境の問題で体調を悪化させてしまい、今後の仕事についてどうすべきか悩んでいる」旨を相談しました。

 (センターでの相談に関しては、事前に予約が必要です)

 

「辞めるか、続けるか、どちらがいいか」

 

「障害があって働いている人は、職場で問題があった時に退職を考える方はどれくらいいるのでしょうか」

 

 ごく普通の質問のつもりだったのですが、驚くことにセンターの職員の方に「実はそういった相談事例がなくて・・・」と言われたのです。

「えっ、じゃあ、みなさんどんな相談されるんですか」と聞くと、

 

①すでに仕事を辞めて(仕事がなくて)、仕事を探している(障害のオープン・クローズ両方)

②今の職場でどうやったら長く働けるか

 

が主だと言われました。退職で悩む人はゼロなんですね。(実際はゼロではないと思いますが)

ある意味驚きました。

※あくまで、50万人くらいの地方都市のセンターの例です

 

辞めるか迷うことすらできないほど障害のある人に仕事の選択肢がないという現実が見えてしまいました。

 

自分にとってのメリット・デメリットの整理

 「ひとまず、〇〇さんは、まだ復職とか就労どうこうという段階ではないですね。まずは体を治しましょう」と言われてしまったほど、フラフラしながらセンターに来た私に相談員の方は言われました。(この時、元々の摂食障害発達障害に加え、慢性疲労症候群も発症していました)

 

早くどうにかしなければ、と焦りすぎたようです。

「でも、せっかく来ていただいたので、<物事の優先順位をうまく整理できない>という状態を解決するためにも、一緒に今の仕事のメリットデメリットの整理をしてみましょう」ということで、相談員の方と一緒に質疑応答形式で書きだしてもらうことになりました。

 

まずは今の仕事を続けるメリットとデメリットを1つづつあげていって、最終的にメリットがデメリットを上回っているか、またはその逆か

が見えてくるというやり方です。

 

この考え方は、書籍などでも見かけるのですが、一人だとどうしても言葉が出てこなかったり、うまく表現できなかったり、自分の気持ちを整理して取り出せなかったりします。

 

でも、相談員の方のナビゲートを受けながら行うと、自分があやふやな表現で伝えたことをうまく整理して「こういうことですか?」とまとめてくれます

 

これはすごくすっきりしました。「まとめる」「整理する」というのがすごく苦手で思うがままに言葉が出てしまうので、他人の手を借りてそれにラベリングをして整理してもらうような感じ。

 

思考のラベリング・例えばこんなこと

 以前、映画製作のワークショップにショップに参加したことがあるのですが、そのときのアイデアの整理法のようにしてみました。

 

まず、ひたすらふせんに思い付いた「職場から離れたことでのメリット」「休職のデメリット」を書いていきます。

 

書き出してみた職場から離れたデメリットは

「収入が減ること」「将来が不安になること」「会社に居場所がなくなること」

「(周りの目を気にして)外出が自由にできなくなること」です。

 

収入が減ること、は「生活の問題マイナス」グループへ。

外出が自由にできなくなること、は「行動の自由度マイナス」

のグループへというような分け方です。

 

同じようにメリットは

「いじわるな人に振り回されない」「アホな習慣や意味のない風習にとらわれなくていい」「無駄な会議に出なくていい」「ノルマを自腹で買わなくていい」「家で仕事をしなくていい」「周りに人と違うことをバカにされなくていい」「上司を乗せて知らない道を運転をしなくていい」「通勤しなくていい」「仕事のスケジュールに振り回されない」「食事が自由にできる」「家事に疲れなくなる」

 

 

いじわるな人に振り回されない、無駄な会議に出なくていいは「行動の自由度プラス」へ。

ノルマを自腹で買わなくていい、は「生活の問題プラス」へ。という感じ。

 

こんな風にして、自分の感じていることをラベリングしていき、一覧にするとよくわかるようになります。

 

ラベリングの結果、自分がどうしたいか

私の場合は、職場を離れたメリットをまとめた結果

「無理をしなくて良くなり、生活の時間や体調をコントロールできる」ことだとわかりました。

 

①食事の時間のタイミング

②疲れたらすぐ横になれること

③体調が悪い時にすぐ病院に行ける

 

など、病気と付き合いながら生きていくには、生活時間を自分でコントロールできることがとても重要です。

そうでなければ、無理が発生し、どこかで体をまた壊してしまいます。

 

あとは、自分が無理して体を壊しながらも収入と安定を取るか、ということでした。

理解のある職場で、うまく折り合いをつけて働いていければ良いのですが、なかなか難しいものです。

 

もし今、病気になってしまって仕事をやめるべきか、どうするべきか迷っているときは、一度問題を棚上げしてみませんか。それより体の回復が先です。

もしかしたら、仕事をやめることでもっと回復してくるかもしれませんが、その結論を出すのはもう少し先でもいいかもしれません。

 

私も、3か月~半年は社会から取り残されたような焦りがありましたが、今は正直仕事のことや会社はどうでもいいです。(もちろん、収入のためには働かないといけませんが)

 

どうでもいい、と思えるまでに半年以上かかってしまいました。

 

人生の優先順位は、「自分の幸せ」

忘れちゃいけないのが、人生の優先順位は自分の幸せが一番、仕事は五番目くらいってことです。

 

病気になった時というのは、気力も落ちがちです。

判断力にも自信がなくなります。

 

でも、しっかりと休養をとって治療し力を蓄えていけば、ゆっくりですが気力は戻ってきます。

 

 

他人の価値観に左右される「他人主体の世界」から、「自分がどうしたいか、自分にとってどうなのか」という自分主体の考え方ができるようになります。

 

自分がどうしたいかを自分主体で考えるって、当たり前のことのように思えますが、病気になるとこの考え方ができなくなったりするんですよね。

「こうしたら迷惑がかかるから」とか「どう思われるだろう」とか。

 

 だから、まずは自分主体の考え方が出来るようになるまで、ゆっくりと休養しましょう。

 

しっかりと食べて、寝て、休んで、やりたいことをしてみたりして、あなたらしい考え方が出来るようになってからでも、結論を出すのは遅くないと思いますよ。

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