20年来の過食嘔吐が治ったきっかけのこと

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寒くてすっかり目が覚めてしまいました。

今日は過食嘔吐が治るきっかけ」について書きたいと思います。

 

「ある日」を境に止んだ過食

わたしは摂食障害20数年にして、ある日を境にほぼぴたりと過食が止みました。

本当に、「ある日を境に」なんですよね。こんなこと言ったら、”数珠とか水晶とか高額なサプリ”とかいう変なスピリチュアル系にはまったかと思われるかもしれませんが、全くそんなの信じないたちです。それ以来、半年以上過食のない日々が続き、今はたまに(多くて月数回)ある程度です。そのきっかけというのが

 

「一緒に毎日にご飯を食べよう。

吐きたくなったら吐いていいから俺がごはん作るから」

 

と言って、毎日ご飯を作ってくれたパートナーのおかげでした。

いまでは、パートナーにも「ほんとに大食いだったの?」と言われるくらい、過食欲求がなりを潜めています。

 

 

「毎月、ほぼほぼ普通に食事ができる」か「月に数回も過食嘔吐をしてしまう」か。

 

中身は一緒ですが、受け取られ方はそれぞれだと思います。わたしにとっては、3食普通に食事ができる日が3日以上連続するというのはすごいことでした。やりたくなくても止まらなくなりやってしまうので、自分の意志では絶対に無理だったからです。

何より「過食以外に時間とお金が使える」生活というのは全然世界が変わります。

 

 

これまでにも彼氏はいたけれど治らなかった

これまでにも彼氏はいましたが、今のパートナーのように「自分のためにご飯を作ってくれる」人はいませんでした。付き合ったり同棲したりする中で一緒にご飯を食べる人はいても、過食嘔吐は全く治らなかった。

それまでは、毎日複数回の過食嘔吐をしていました。拒食の時期もあったのですが、1年ほどと非常に短く、すぐに過食嘔吐に移行。拒食はまだ「妙なランナーズハイ感」があるのですが、過食嘔吐については強烈な自己嫌悪と罪悪感しかありません。1日に5,000円も食べて(時にはそれ以上)トイレに流す生活をしていたら、そりゃそうなりますよね。

 

「ライトな過食」というと摂食障害でない方にはわかりにくいかもしれませんが、1食分+お菓子2袋とかパスタ2人前は、私的にはライトな過食です。今、たまにあるのはそれくらいの感じです。もうそんなに入らなくなりました。

逆に「ヘビーな過食」は、ラーメン5袋+パン10個+ドーナツ10個+スナック菓子のパーティーサイズ+炭酸1.5リットルみたいな感じでしょうか。外食でいえば、2人前づつ食べてお店を3件くらい巡るみたいな感じです。当然、胃袋もずっしりなります。長年、これを毎日繰り返してきました。

 

自宅でこれくらい食べるとなると、ちょっとしたパーティーのように食べ物を床に並べて食べるのが多かったです。摂食障害も長くなると片付けなんかも手馴れてきて、過食のときは床に汚れ防止の新聞紙を引くようになります。自分を中心にして、半円状に食べ物を配置。これでこぼれても片付けが楽です。食べ進むうちにお腹が重くなるのと、普通の姿勢で食べていたら消化が促進してしまうので、基本正座して床に肘をつくようなスタイルを取ってました。いわゆる「犬食い」ってやつですね。

まあ・・・絶対に人には見せられない姿です。

 

基本的に、付き合う人には病気をカミングアウトしてきました。けれど考えてみれば「一緒に治していこう」と耳障りのいい言葉を言ってくれる人はいても、今のパートナーのように、一緒に病院に行ったりどうしたら治るかを考えて自分のために生活を変えてくれる人はいなかったです。

 

一緒に食べるごはんが美味しい、と感じた

彼は、付き合う時に「どんな時でもごはんは一緒に食べる。仕事があっても必ず帰ってくる。外で食べなければいけない時は一緒に連れていく」と決めたそうです。

 

一人で食事をするのをなるべく避ける。どんな時でも一緒に食べる。お腹が空きすぎないようにする。

 

彼がしてくれたのは、シンプルにこれだけでした。これだけと言っても「仕事しながら毎日朝晩ご飯を作って必ず一緒に食べる」って簡単ではないんですよね。

(今では料理は私がして一人で外食もしますが、ほぼ毎日食事は一緒です)

最初は、たまに彼の帰りが遅くなると不安と空腹がピークになり過食してしまったりしていました。満腹感は不快でしたし、慣れないうちはリセットしたくてたまりませんでした。それが、一緒にお喋りしたりご飯を食べてテレビを見たりして過ごしているうちに徐々に大丈夫になってきたのです。

 

今は、お腹空いたら先に食べたりしています。

以前の私からしたら考えられないのですが、焼き肉をたくさん食べて「おなかいっぱい」と感じてふつうに眠れます。

 

 

「一番は、いいパートナーを得ることで治る気がするんだけどね」

 20代のころからの主治医には「この病気は、いい人(パートナー)ができることで変わる気がするんだけど・・・実際、そういう人も多いですよ」と言われていました。

自分で言うのもなんですが、彼氏がいなかった時期がほとんどない(そのかわり別れるのが早い)私には「ほんとかなあ・・・それって特別な人とか、たまたまいい人に巡り合えただけのことなんじゃないの」と、宝くじの1億円に当たった人の経験を聞くような感覚で聞いていました。宝くじはみんな買うけど、1億が当たるのは飛行機事故に遭う確率よりずっとずっと低いって言いますもんね。

 

ただ、そんな風に思っていたわたしも、今のパートナーと出会ってから毎日の過食が止まりました。当然ながら、宝くじの高額当選なんて生まれてこのかたありません。そんなわたしも当たったのだから、「いいパートナーを得ることで摂食障害過食嘔吐)が治る可能性」は意外と高いのかもしれないです。確率的でいえば、ジャグラーで10連チャンするくらいの可能性はあるのではないでしょうか。しょっちゅうはないけど、いいタイミング・いい台にあたれば可能性がある・・みたいな。(スロット知らない方、すみません)

もしかしたら、タイミングが一番大事なのかもしれません。

 

病気になってから20年数年もかかってしまいましたが「ご飯が美味しい」と感じて普通に食べられるしあわせを取り戻すことができました。・・・・とは言っても、頻度が低いとはいえ、まだ完全には治っていません。ただ、絶対にしてはダメと厳格になるより「ゆるい完治」を目指した方が自分にとってはいいのかなと感じています。

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