何年か前に、発達障害の疑いで初めての知能検査を受けました。
私が受けたのは、ウェクスラー式知能検査「WAIS(ウェイス)」です。(ちなみに、子ども向けはWISC(ウィスク)と言います)
ウェクスラー式知能検査(WAIS・WISC)とは
ウェクスラー式知能検査は、1938年刊行のウェクスラー・ベルビュー知能検査を起源とする、70年以上の歴史を持つ知能検査です。この検査は、知的発達の変動や個人差の大きい幼少期にはほとんど用いられることはありませんが、児童期や成人期においては、現在の日本において最もよく使われる知能検査のひとつです。
(出典:LITALICO発達ナビ より)
検査の結果、発達障害(ADHD)ということで、コンサータという薬を処方され、ある程度生活が改善されました。(現在は他の疾患の治療のため休薬中です)
発達障害(ADHD)とは
発達障害(ADHD)は、不注意、多動性、衝動性の3つの症状を特徴とした、脳の気質障害です。脳の機能に偏りがあることで、前述の問題が発生しすると考えられています。子供のころからその特性が突出していた場合、幼少期に診断されますが、成人してから診断される人も少なくありません。いわゆる「おとなの発達障害」というものですね。
発達障害の割合は6パーセントと言われていますが、30人のクラスなら1人~2人は居るということになりますね。
認知症を疑って病院を受診した
3年前の職場変更の際に、記憶力や行動・思考能力が異様に低下してしまい、それまで出来ていたことも出来なくなり、認知症や脳の病気を疑ってかかりつけのメンタルクリニックに相談しました。
以前から私を知っている医師からは「君の知能に異常があるようには僕は思えないけど
・・・」と言いながらも、1か月後、臨床心理士との面談の時間を設けてくれました。
(どこの病院でも検査ができるわけではなく、基本、検査には予約が必要です)
もともと人より要領が悪く、対応力の低い部分はあったのですが、周りに恵まれたこともあり、環境が変わるまでは自分の注意力の欠陥をそこまで大きなものとは気づかなかったのです。
成人知能検査を受けてみた
予約した当日、「時間がかかる検査なのでかなり疲れるかもしれない」と言われていたので、前日からしっかりと休んで検査を受けました。
けっこう前なので記憶があやふやですが、内容的にはこんな感じです。
・数字の復唱(桁が増えていく)
・引き算
・歴史の問題(〇〇は何年ですか、など)
・複数の言葉を覚えて繰り返す(さくら、電車・・とかです)
・物語の並べ替え(バラバラの物語の時系列を推測する)
・図形の認識問題
・絵を見ておかしな部分を指摘する
・積み木(積み木をパズルのように組み合わせて指定の形を作る)
結果を見た時ショックだったのは、物語の並べ替えが一番自信があったのに、全くできていなかったこと。絵を見せられておかしな部分をみつけるテストは、全くわからなかったので予想どうりだったのですが・・・(たぶん、日常で失くしものや忘れ物が多いのはこのあたりから来ているのかもしれません)
できてたって思った部分がダメなのはショックですね。
検査時間は朝9時に行ってお昼前に終わり。2時間ちょっとかかったような気がします。「長くなりましたね」と先生も言っていたので、もう少し早く終わる人もいるのかもしれません。脳の普段使わない部分を使うからか、頭も体もとても疲れました。
検査の結果
ちなみに、その時の検査結果ですが
全検査IQ91 言語性IQ105 動作性IQ75
でした。この群指数間の差が15以上あると発達障害の可能性が高いそうです。
(この心理検査の結果だけが発達障害の診断に繋がるわけではありません)
言葉を理解したり応用する能力の言語性IQに比べて、動作性IQが異様に低いですね。そして、動作性IQに関しては生まれつきの能力が大きいようです。
私は生まれつき右脳が弱い、ということになるのでしょうか。
言語理解 102
知覚統合 66
作動記憶 100
処理速度 84
上の4つのうち、言語性IQは「言語理解」と「作動記憶」です。作動記憶は、注意を集中したり、耳から入った情報を理解し記憶する能力のことです。
言語理解102、作動記憶100で数値差は大きくないので問題ないですね。
問題は知覚統合と処理速度です。他のIQに比べて、異様に低いです。
「知覚統合」は空間処理能力です。目から入った情報を頭の中で処理したりまとめる能力ですね。私はこれが一番低いようです。
他のIQと最大36差があります。
確かに、車の運転で周りに注意を向けるのが得意ではありません。普通に歩いていても、必ず周囲の何かにぶつかったり、転んだりします。モノとモノとの距離がつかめず、階段から落下したり、戸棚の食器との距離感がつかめず落とすのも頻繁です。
「処理速度」は、そのまんまですね。これが低いと、得た情報を処理するスキルが低いってことです。
発達障害(ADHD)と診断されて治療薬(コンサータ)を処方された
他のテストや検査も受けた結果、発達障害(ADHD)ということで、治療薬コンサータを飲むことになります。薬で改善するんだ・・という安堵と、発達障害と診断されたことへの戸惑いと両方あったのを覚えています。
最初飲んだ時は、視界がクリアになる感覚に本当に驚きでした。動悸や血圧、薬が切れた時の異様なだるさなど、副作用もあったんですが、仕事をする上では欠かせないものだったので毎日飲んでいました。
コンサータで確かに症状は改善されるのですが、「激烈に仕事ができるようになった!」とかスーパーマンみたいにはならないです。
ただ、薬を飲んでいると、周囲の刺激を過敏に感じることは少なくなりました。
頭もまとまるようになります。ただ、素早くはなりませんでしたが・・・
まとめ
知能検査の結果から総合すると、私は「頭でっかちでとんちんかんな受け答えをするトロい人」でしょうか。
ちょっと残念ですが、できないところに注力するより、自分の中で良いところを伸ばすしかないですね。人と比べることなく。
2年くらいしたら、また検査を受けてみたいなと思います。
まとめると、こんな感じです。
- 検査ができる病院(医師)を探す
- テストを受けるには予約が必要
- 費用は保険適用で1350円くらい(場合によっては万単位もあるようです)
- 結果は1週間後~
- 知能指数の数字の高低についてはあまり気にしないこと
- 優位差がある項目が苦手な分野
- 得意を伸ばして苦手をカバーする
- コンサータの効果は一長一短
ちなみに、発達障害の特性と仕事で悩んだ頃は、こんな本を読んでました。
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が会社の人間関係で困らないための本 [ 對馬 陽一郎 ]
ADHDと診断された人でも、多動はさほどなく注意欠陥の特性が強かったり、アスペルガーの特性を一部持っていたりもします。人間は綺麗には振り分けられないものです。
発達障害も同様に、一概には分けられません。自分に合った対処法を見つけて、自分が無理せず生きられるようになっていけたらいいですね。