【五十嵐貴久原作】新・オトナの土ドラ「リカ」第一部最終話(第4話) 感想

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 五十嵐貴久原作、オトナの土ドラ「リカ」の第一部・最終話が放送されました。

前回は、リカに「病院を辞めてもらう」と言った藤鐘看護師長と植物人間になっていた小山内さんが殺害されるという展開になりました。ドラマ版は原作小説「リハーサル」では描かれていない場面もあり、最終話の行方が気になるところでしたが・・・

 

それでは、第一部・最終話のあらすじです。

 

「第一部 最終話」

藤鐘看護師長の死は、警察によって「自殺」と判断された。

納得のいかない表情の大矢。

 

リカ(高岡早紀)は、大矢(小池鉄平)の婚約者・真由美の身辺調査の謝礼として刈谷医師に50万円を渡そうとしながらこう言った。「追加でやってほしいこともある」と。

しかし、刈谷は受け取り拒否。

「小山内さんと藤鐘さんを殺したのはあんただろう」「関わりたくない」と言い放ち、逃げるように病院を去っていった。

 

リカは、大矢の叔父である院長に「大矢の元婚約者・真由美がストーカーになっている」と伝える。リカと院長は病室に真由美を呼び出すのだが、何も知らない真由美は見舞いの品を持って病室にやってきた。院長は真由美に「マサフミの婚約者だ」とリカを紹介するのだった。

 

真由美から事情を聴いた大矢は院長の部屋に飛び込んでくる。

叔父さんはリカに騙されている、と言う大矢。

 

リカは花山病院の採用面接を受ける際に提出した、日本医師協会の有力者からの推薦状も偽造していた。リカに推薦状を書いたことになっている日本医師協会の内田前会長に「雨宮リカという看護師を知らない」と言われたことを院長に話す。そして、小山内や藤鐘が亡くなった事故もリカの行ったことだと続けた。

 

「すべてはリカが自分に好意を持ったことによるものだ」と。

 

そして、患者の体内にペアン鉗子を残留させた医療事故の件を打ち明ける。

その際に患者の腹部にペアン鉗子を仕込んだのもリカであり、亡くなった小山内と藤鐘は、リカの異常性に気づき辞めさせようとしたために殺されたのだと訴える。

 

大矢医師は、自分の不正も含め警察にリカのことを相談するつもりだと語った。

 

大矢の話を信用せず「お前には失望した」と激高する院長。

 

「お前に院長になる資格はない」という院長に対し、「病院を辞める覚悟はできている」と言う大矢。それを部屋の外で聞いていたリカは、病室に飛び込んでくる。院長を必死に説得するリカ。しかし院長は「あんなやつは辞めてかまわない」と言い放つのだった。それを聞いてリカの目つきが変わる。

 

院長の突然の死

翌日。顔面蒼白で病院に駆け込んでくる大矢医師。

院長が、今朝がた亡くなっているのが発見されたという知らせを受け取ったのだ。

死因は心筋梗塞による急性心不全だと言う。

 

発見した柏手医師に、自分が昨日の言い争いで興奮させてしまったのが原因だと自嘲気味に言う大矢。昨日のことを悔やみながら、院長の枕元にひざまずいたその時。

ベットの下に落ちている羽毛に気づく。さらにベッドの横、院長の車いすに乗せられた枕にふと目をやると、枕の端の切れ目から同じ羽毛が・・・

( リカはこの枕を使い、体が不自由な院長を窒息させ殺害したのだろうか)

 

自分を辞めさせると言ったばかりに、あの女が院長まで殺したのか、と怒りに震える大矢。

 

花山病院の閉院

場面は変わり、会議室。

医師・看護師を集め、院長が亡くなったことを伝える大矢。

「明日から3日間病院を臨時休業し、近々病院を閉める」予定であることを伝える。

事件のこと・患者の環境への懸念などの対応に窮していることを理由に、閉院し医師も看護師も一人残らず辞めてもらうつもりである、と話す。

それを聞きながら、ひとり「ふふ・・」と声に出し笑うリカに、受付嬢(夏菜)は恐怖の視線を向ける。

 

自宅で満足げな表情を浮かべるリカ。

「あとはこの女だけね」と、真由美の写真を眺める。

 

場面は変わり、レストラン。真由美に、リカのことや事件のことなど、これまでの事情を話している大矢医師。

 

真由美も、先日の院長室でのリカの印象に異常性を感じていた。

大矢に「何があっても味方だ」と強い口調で言い、明日からしばらく有休をとり実家に帰る、という。

そんな真由美に「心配だから今夜は君のところに泊まる」という大矢。

 

告発

臨時休業のお知らせが貼られている花山病院。

大矢医師は、自室のパソコンの前でリカへの告発状を書いていた。

 

ふと携帯に目を落とし「実家についた?」という真由美に送ったLINEの既読がつかないことに気づく大矢。嫌な予感がして電話をかけようとしたその時、部屋のドアが開き、リカが入ってくる。

 

「何の用だ」という大矢医師。

「やっと二人になれたんだから、食事でもどう?」というリカ。

 

「君に恋愛感情をもったことは一度もない」という大矢医師に

「まだあのストーカー女に脅されているのね」というリカに「お前こそストーカーだ」と突き放す大矢医師。

 

リカに告発状をつきつける。

 

「せっかくわたしがフォローしてあげたのに」

「そうやって脅してきただろう」

「あなたを愛してるから」

「愛されたら迷惑なんだよ、出てってくれ!」というと、リカは部屋を飛び出していった。

 

真由美の行方

LINEに既読がつかない真由美に電話をするが、何度かけても彼女は出ない。

留守電にメッセージを吹き込み、振り返ったそのとき。

後ろを見るとそこにはリカが・・・!

注射器を振りかざし、大矢に突き刺すリカ。意識がなくなる大矢。

 

目覚めると、白衣で白いヴェールをかぶったリカが座っていた。

 

「邪魔者はいなくなったから」

「リカ、ほんとは真っ白なウエディングドレスにあこがれていたけど、白衣で結婚するのも素敵よね」とうっとりと話すリカ。

 

その様子に恐怖を覚えながら、真由美の実家に電話をする大矢。

電話に出たリカの母に尋ねると、真由美はまだ帰ってきていないという。

真由美に何をした!とリカに詰め寄る。

 

「ストーカーならちゃんと片づけたわ。隣の古い病棟にいってみてきて」というリカの言葉に、真っ青になりながら駆け出す大矢。

 

古い病棟の廊下を走り抜けドアを開けると、シーツをかけられた人の体が。

シーツをどけると、そこには首を絞められて動かない真由美の姿があった。

 

「真由美!」と懸命に声をかける大矢。

そこへ震えながら入ってきたのは柏手医師だった。

「どうしてここに」という大矢に「許してくれ」という柏手。

「仕方がなかった、あいつのせいだ」という柏手。柏手は娘をリカに監禁され、脅されて真由美を殺害したのだ。

 

そこへリカが入ってくる。

「安心した?まさふみさん」

「あなたを苦しめたストーカーはもうこの世にはいない」

 

あなたは「運命のひと」

「なぜこんなことまでして僕でないとダメなんだ」と尋ねる大矢。

「なぜ?って覚えてないの?まさふみさん」

「リカを選んだのはあなたよ」

「あなたを見た瞬間思ったのこれは運命の出会いだって」

 

初めて出会ったレストランで場面を回想するリカ。

 

「わたしたちは見えない糸でつながっていたの。だからあなたもこう言った」

 

(ありがとう、あなたがいてくれてよかった)

 

リカとの出会いに思い当たる大矢。

 

「嬉しかったわ。看護師募集が出ていて」

 

「これまでお互い不幸な人生を歩んで来たけどもう大丈夫よ」

「これからは二人で幸せな人生を築いていきましょうね」

微笑んでそう言いながら、大矢に手を伸ばすリカ。

腕の痣が色濃くなっていく。

 

「黙れバケモノ」

リカの首を強く締め上げる大矢。

「やめて」

リカは苦悶の表情を浮かべている。

「お前にさえ会っていなければ」

さらに強く首を絞める大矢。

 

そのとき、背後から大矢の背に包丁が突き刺される。

柏手医師が、突き刺したのだ。

「娘の居場所がわからなくなるじゃないか」と言い、刺し続ける柏手。

止血するため救命道具を手に取るリカ。

 

大矢医師は、よろけながら真由美のもとへたどり着き、絶命する。

「まさふみさん、死んじゃダメ」というリカ。

その足元にすがり、「娘をどこにやったんだ。教えてくれ」という柏手医師。

 

「リカを一人にしないで」

柏手医師を振り放すリカ。

「わたしのまさふみさんはどこ」

リカの目つきが変わる。

「みんな死ねばいい」

 

そして誰もいなくなった

ニュースの画面に代わる。

 「昨夜花山病院で火災が発生し、〇名の死者が出ました」

 

夜、古い病棟で新人看護師と待ち合わせるリカ。

「あなただけよ。友達だったのは」

そう言い、彼女にたばこをすすめるリカ。

タバコの火がクローズアップされる。

 

~END~

 

 原作を読んだ人には物足りないラスト

ドラマ版の最終話、リカがあまり怖くなかったのは私だけでしょうか?

 

原作はラストがとにかく怖いのです。本からリカのおぞましい臭気がしてくるような残酷さがあります。テレビと言うこともあり、あの最後の「真由美の姿」や「リカの姿」がどう描かれるのかと思っていたのですが、さすがに原作のラストは再現できないですよね。放送できなくなってしまいますもんね・・・

 

ドラマ第1話を見てすぐに原作を全巻購入・読破したのですが、原作はとにかく「リカ」の怖さが半端ないです。(「リカ」シリーズは現在4作品刊行されています。)

作者のあとがきによると、さまざまな時間軸での「リカ」が今後も描かれていくということですが、原作を読むのは時系列ではなく刊行順がおススメです。

 

11月8日(土)からは、第二部がスタート。

舞台は花山病院の事件から3年後の世界となります。

 

<第二部 キャスト>

雨宮リカ・・・高岡早紀

本間隆雄・・・大谷亮平

岡留千秋・・・夏菜

本間葉子・・・徳永えり

原田信也・・・柏原収史

 

<第二部 あらすじ>

いまだに亡くなった大矢(小池徹平)の事が忘れられず、ペアン鉗子のハーバリウムを手に涙ぐむリカ(高岡早紀)。そんな折、顔見知りの宅配業者からマッチングアプリの存在を知ったリカは、今度こそ“運命の人”に出会えることを信じ、登録する。

映画会社・宝映に勤める、プロデューサーの本間隆雄(大谷亮平)は、「作家の恋」という原作の気乗りしない仕事を任されていた。その映画のリサーチをするために、アシスタントプロデューサーの坂井政司(内田健司)から、マッチングアプリに入ることを薦められた本間は、坂井に言われるまま、“神宮寺たかお、年齢・38、職業・作家”という嘘のプロフィールをアップする。

その夜、自宅で、溺愛する娘の亜矢(稲垣来泉)と一緒に人形で遊んでいる楽しげな本間。そこに身支度を整えた妻・葉子(徳永えり)がやってきて「亜矢。そろそろ行こっか」と声をかける。本間は嫌がる亜矢の様子を見て「今日は泊まって行けよ」と声をかけるも、「まだ許してくれてないでしょ」と言われ、何も言えなくなる…。

半年前に葉子の浮気が発覚し、夫婦は別居生活を送っているのだ。冬物を取りに来た2人は、葉子の実家へ帰って行った

急に静かになった部屋で侘しくウィスキーを飲んでいる本間。と、テーブルの携帯が鳴る。見るとアプリに着信マークがある。プロフィールを開くと、『リカ/年齢:28/職業:元看護師/3年前に彼と別れてから、看護師をやめて今は家事手伝いをしています。』の文字が…。

思案するも、返信を打ち始める本間―――。
それは地獄への入り口だった…。
予測不能の恐怖の物語、第2章開幕!!

引用:東海テレビ https://www.tokai-tv.com/rika/story/

 

 第二部の原作小説である「リカ」は、個人的にシリーズで一番怖い作品です。

「リカ」シリーズは”ほぼほぼバッドエンド”の物語なので、救われることがないのですが、最後がとにかく衝撃的です。これ、放送できないと思うのですがどう描くのでしょうか。「リカ」の物語は理屈を超えた異常性と、異常者の正義が恐怖を呼びます。

もしテレビ用に表現を変えるとしても、あの恐怖がテレビの前に伝わるような物語を期待しています。

 

「リカ」シリーズ時系列 ※タイトル前の数字が刊行順

 

③「リバース」(雨宮家の家政婦、幸子の視点で描かれたリカの幼少期の話)

④「リハーサル」(ドラマ第1部。花山病院が舞台。「リバース」の約20年~25年後の世界)

①「リカ」(ドラマ第2部の舞台。ドラマ第1部から約3年後の世界)

②「リターン」(「リカ」から10年後の世界。リカの起こした事件を追う女刑事の目線)

 

「リメンバー」(2019年12月頃刊行予定)

 

【放送予定】

毎週土曜日 23:40〜24:35

◆第1部:放送終了

原作 五十嵐貴久「リハーサル」)

◆第2部:2019年11月9日(土)〜2019年11月30日(土)

(原作 五十嵐貴久「リカ」)

 

 

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